未知の出来事に遭遇すると、その未知を知りたいと強く思う。
それが人という生き物。
幸か不幸か…人は未知からは逃れられない運命なのです。
あれは妻と約3年ぶりに二人きりでデートをしたときのことです。
映画「天気の子」を見た後、胸からカエルのピョン吉が出てくるんじゃないかというくらい、衝撃的なイベントに遭遇したのです。
そしてこのイベントのおかげで、人ってこういう流れでモノを買いたくなるんだなという発見を得たのです。
ではそんな学びを提供してくれたイベントはいったいどんなものだったのか?
学びを提供してくれたイベント「BT Museum」
それがこちらです。

BAND T-shirts Museum – バンドTシャツ展 – っ!!
What’s バンドTシャツ展楽日(LUCK’AInc.)という2007年4月からグッズ販売・ディレクションを行う製作会社がやっていたイベント。
福岡の天神にあるPARCOで、たまたま無料で開催されていて、そこにはなんと約1,000種類の邦楽バンドのTシャツが展示されていました。
でもまぁ普通にTシャツが展示されているくらいなら、
ってなってしまうところですが・・・
このイベントでは「来場者を楽しませるある工夫」をしていたのです。
BT Museumがやっていた来場者を楽しませる工夫
どんな工夫かというと、語るよりも見ていただいた方が早いので、こちらをご覧ください。


Tシャツをレコードジャケットに見立てた展示方法を展開していたのですっ!
これがバァチコーンっっ!とハマっていて、もはやバンドTシャツ展であることを忘れてしまうくらい違和感がありませんでした。
マネキンやトルソーにTシャツ着せて展示してる程度の戦闘力5のイベントだったらまったく面白くないですが…
こういう展示の仕方は精神年齢が18歳の僕はワクワクしちゃって、(気持ちが)おっ立ってしまいます。
BT Museumの隣にタワレコがある理由
この展示方法は、まるである種の宝探しのようなもの。
「一番のオキニーなレコード(Tシャツ)を探すんだっ!」つって漁る。
「俺はバンドTシャツ王になるっ!」つって掘り出す。
「君に決めたーっ!!」って、抜き取る。
このような気持ちにさせてくれます。
そうやってレコードを探していくと…
今にもそのバンドの音楽が頭の中で自動再生されるような感覚に陥り
レコードのジャケ写(Tシャツのフロント)がイケてるだけで、そのバンドの音楽も「カッコいいのではないだろうか?」という期待感も高まり
そんなときにたまたま、タワレコが隣にあるもんで、「気になったバンドの曲聞いちゃう!?いっちゃう?!」って勢いが生まれ
ほんでCD聞いちゃって、「このバンドの曲…濡れるわ…明日の昼休みに流したら、俺英雄だわっ。よし即買いだっ!」って行動へ移させる。
まるで
ってくらい絶妙かつナチュラルに購入へとエスコートしてくれます。
とまざまざ見せつけられました。
この仕組みはたとえるなら、蟻地獄(印象が悪いので、もっといい例え思えついたら変えます)。
蟻地獄に一度踏み込んだら最後、アリが出てこれないように。
無料開催のバンドTシャツ展で、興味を惹かれたユーザーが来店したが最後、タワレコでCD買っちゃうという。
ただ一点、僕としてはちょっと残念だったのがレコード(バンドTシャツ)自体の購入ができなかったことです。
展示場の周りに服屋が多いことで、イベント展であることを忘れ、普通に服屋だと認識してしまいTシャツが買えると思ったから。
…でも待てよ…
もしかするとそれすらも購入導線だったのかもしれません。
なぜなら妻はバンドTシャツ展に行ったことで「あるもの」の購入を決意したからです。
買いたいけど買えない状態はフラストレーションが溜まり、発散したくなる
買いたいけど買えない状態ってすんごいフラストレーション溜まりますよね。
そして溜まったフラストレーションは発散したいもの。
それはたとえるなら、1ヶ月オナ禁をしていた男が、女性の一瞬の胸チラで、フラストレーションが溜まった強欲のダムが決壊し、潜在能力を解放してしまうようなもの。
ある種それと同じフラストレーションが、妻に溜まってしまっていたのです。
そして妻は僕にこう言ったんです。
妻はバンドが好きなのでそんなことを心の中で思っていたら、、、
こう口にしたのです。
なんて心で思いながら、妻を見ていると手にしたのは
RADWIMPS…でもなく
サカナクション…でもなく
Mrs.GREEN APPLE…でもなく
Hello Sleepwalkers…でもなく
[Alexandros]…でもなく
Official髭男dism…でもなく
なんと…

そういって、嵐のベストアルバムを手に取り、レジへと向かっていったのでした。
その後ろ姿は、もはや映画「アルマゲドン」で、巨大隕石を破壊するためにロケットへ向かう石油採掘のプロ、ハリー(ブルース・ウィリス)そのものだったのです。
BT Museum × タワレコ < ジャニーズ
バンドTシャツ展で感化された妻が、最終的に選んだのは…
バンドではなくジャニーズ(アイドル)だったのです。
つまり、バンドTシャツ展とタワレコがつくったであろうセールスシナリオよりも、ジャニーズ(嵐)の影響力が強かったのです。
そりゃそうか。大野くんいい人ですもんね。
ということで、ジャニーズの影響力と人を楽しませる仕組み。この2つの学びを同時に得られる良い機会でした。
嵐のベストアルバムはDVDもあるんですね。
2020年末をもってグループとしての活動を休止するのが寂しくもありますが、ベストアルバムで久しぶりに「言葉よりも大切なもの」でも聞こうと思います。