『自分の思っていることを100%誤解なく伝える』
そのためには、一体どうしたらいいだろう?
そんな風に思っている旦那さんへ、この記事を送ります。
アンケート調査に強くて有名な株式会社マクロミルが、2017年に夫婦に関する調査レポートを公開しています。
このレポートによると、夫婦で「十分にコミュニケーションを取れている」と感じている人は56%だと言われています。
我が家もそうですが、『夫婦間のコミュニケーションが課題』だと思っているご家庭って意外と多いと思うんですよ。
僕自身、
- ちゃんと伝えたはずなのに、変な誤解をされていた…
- ちゃんと伝えたはずなのに、全然伝わってなかった…
そんなコミュニケーションに関する課題を日々ひしひしと感じています。
自分の思っていることが相手(妻)に上手く伝わらなくて、仕事中もあれこれ考えたり、思い悩んだ時期もありました。
その度に
と考え続けたものの、なかなか突破口は見つからず。
もしも自分の伝えたいことが100%上手く妻に伝えられたら…ありとあらゆる夫婦関係の悩みは解決して物事もトントン拍子の思いどおりに進むようになりそうなんて夢を見つつ…
そうなれない現状にモヤモヤばかりしてただけでした。
自分の伝えたいことが伝わらないのは、
なんて考えるのは、僕としては男らしくないなと思うんですよね。
相手に改善ばかり求めて、自分は変えようとしないのはナンセンスというか、一方的な期待というか、とにかく自分がなりたい理想の自分とはほど遠いなと思うわけです。
ただただ「伝わらない」「理解してもらえない」と、嘆くばかりの自分でいるよりも、いかに相手(妻)を活かせる器の大きな男になれるか、っていうところが重要じゃないですか?
じゃあ、
というところを考えた方が、長期的に考えて得だなと思うわけです。
そんなアンテナを張っていたところ、ニュースで見かけたあるPR動画がパッと目にとまりました。
それが今回のテーマ
『「炎鵬の逆転劇 – わたしは、私」から得たコミュニケーションの気づき』
です。
この記事が、ご自身の成長や夫婦関係の絆を深める、そんなキッカケや一歩になれば嬉しいです。
相撲力士「炎鵬」の逆転劇 – 西武そごうのPR動画「わたしは、私。」
ご紹介したい動画は西武・そごうさんがつくった相撲力士、炎鵬の逆転劇「わたしは、私。」というPR動画です。
この動画とても面白いので、ぜひ見てほしいです!
この動画は幕内最小の力士「炎鵬」の逆転ストーリーが描かれていて、前半と後半に分かれています。
まず前半では、以下のような文章が流れます。
大逆転は、起こりうる。
わたしは、その言葉を信じない。
どうせ奇跡なんて起こらない。
それでも人々は無責任に言うだろう。
小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。
誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。
今こそ自分を貫くときだ。
しかし、そんな考え方は馬鹿げている。
勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。
わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。
土俵際、もはや絶体絶命。
この文章をそのまま読むと、明らかに崖っぷちでもう負けてしまう、ここで終わりだって、弱さや諦めの印象が伝わってきますね。
そして「さ、ひっくり返そう。」をトリガーに逆再生されます。ここから後半なんですが、全く別のストーリーが始まるんです。
ここで面白いのが、使っていた文章は前半と全く同じ。でも逆再生されてるので、前半とは文章が真逆に流れていくんですね。
つまり、以下のようになるんです。
土俵際、もはや絶体絶命。
わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。
勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。
しかし、そんな考え方は馬鹿げている。
今こそ自分を貫くときだ。
誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。
小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。
それでも人々は無責任に言うだろう。
どうせ奇跡なんて起こらない。
わたしは、その言葉を信じない。
大逆転は、起こりうる。
どうですか?
同じ文章で表現されているのに、受け取る印象が全く違うものになりませんか?
前半の印象は一言でいえば「諦め」とか「絶望」。でも後半の印象は「粘り」とか「希望」です。
ガラッと印象が180°反転する逆転ストーリーなのです。
これまで何度も妻に土俵際まで追い込まれ、挫けそうだった僕は、この動画に感動してエネルギーをもらえました。
『絶対負けねぇっ!』って気持ちになったんです。(誰に?w)
そしてこのPR動画を通じて、改めて実感したことがあります。
それはたとえ同じ言葉でも、「伝え方」次第で印象が変わるということ。
すると自分の中で
という問いが生まれたんですね。
実は、今日の本題はここからなんです。
伝え方を変えれば伝わるのか?果たしてそうなのか?というところです。
というのもコミュニケーションには、とても重要な大前提があるからです。
伝え方よりも大事なコミュニケーションの大前提とは
コミュニケーションの大前提とは何かと言うと、
人と人とのコミュニケーションで、100%正確に伝わる(理解してもらえる)ことは絶対にあり得ない
ということです。
この前提がすっぽ抜けていると、たとえ伝え方を変えたとしても、
と、伝わないことに悩んだり、相手の理解力を責めて、なかなか自分の伝え方を改善しようという気持ちが芽生えにくいからです。
でもこの大前提が分かっていたら、伝える前から伝わるように入念な準備ができます。
もしも準備して伝わらなかったとしても
と、次に向けて前向きに行動していくことができます。
つまり、大前提があることで改善するための問いを持てるのです。
コミュニケーションが100%正確に伝わらない理由
そもそもなぜ「コミュニケーションが100%正確に伝わることがない」と言えるのか?
その理由は、全てのコミュニケーションは「受け手の解釈によって意味付けされる(印象が決まる)から」です。
コミュニケーションには色んな手段がありますね。たとえば「言葉」で考えてみましょう。
言葉は、発する人の脳内の映像(イメージ)を相手に届ける、そして受け取った人はその言葉から脳内に映像(イメージ)を作り出すものです。
つまり、言葉の目的は「伝える側の脳内の映像(イメージ)と、受け取る側の脳内の映像(イメージ)」を一致させることを目指すために使うもの。
でも難しいのが、たとえ同じ言葉であっても
- 「ありがとう」と伝えて、不快に思われる場合
- 「ばかやろう」と伝えて、喜ばれる場合
といったケースもあります。
つまり、どれだけ言葉を尽くしても受け取る側の解釈で、意味や印象が変わってしまうのです。
【脱線話】人は自分に都合よく解釈する生き物
人は『自分に都合よく解釈する』という性質があると言われています。(脳の錯覚の一つです)
だからそもそもこちらが発した言葉が相手の中になければ、発した言葉と関連しそうな言葉に置き換えられたりします。
そのため発信する人と受信する人との言葉と映像(体験・経験・イメージ)にミスマッチが生まれます。
映像から言葉に変換される時、次の3つの加工が施されます。
- 【省略】体験が簡潔に情報がシンプルになる。
- 【偏見】これまでの人生で得たフィルターがかかる。
- 【拡大化】一部のことが全体になっている。
言葉に限らず、身振り手振りも同じです。
たとえば、街を歩いていて異性とジッと目が合った、としましょう。
そのとき「きっと、私のことが気になっているんだ。」と解釈する人もいれば、「何であの人睨んでくるんだろう。なんか悪いことしたかな…」と解釈する人もいます。
一見すると同じ表現でも、このように受け手の解釈によって、180°印象が違ってくるのです。
ということは、印象を決める解釈というフィルターをどうにかできたら良さそうな気がしますよね?
良い印象を持って欲しかったら、良い解釈をしてもらえるようにすればいい。
じゃあ”解釈”という根拠のないフィルターを攻略できたら良い気がします。
では一体そのフィルターはどこで生まれるのでしょうか?
解釈という根拠のないフィルターはどこから生まれる?
実は解釈という根拠のないフィルターは、これまで生きてきた人生の全てによって生み出されます。
たとえば
- 持って生まれた性格
- 今に至るまでに取り入れた思考
- 育ってきた環境・人間関係
などからできているんですね。
だから、いかに言葉巧みに表現しても、相手に「どんなフィルターで解釈されるか」は、実際にふたを開けてみなければわからないということなんです。
先ほどの例のように
- 「ありがとう」と伝えて、不快に思われる場合
- 「ばかやろう」と伝えて、喜ばれる場合
といった違いがあるように、相手のフィルターやシチュエーションによって、ポジティブな表現がネガティブに伝わったり、ネガティブな表現がポジティブに伝わったりするのです。
コミュニケーションは「良い誤解」と「悪い誤解」しかない
コミュニケーションの結果はシンプルで、次の2つしかありません。
- 良い誤解を与える
- 悪い誤解を与える
この2つしかない以上、良い誤解を与えられた方がいいに決まっています。
では一体どうしたら良い誤解をしてもらえるのでしょうか?
それを考えるためには、コミュニケーションで「良い誤解が生まれる時」と「悪い誤解が生まれる時」の違いは何なのかを知ることが大切です。
「良い誤解」と「悪い誤解」の違いとは?
「良い誤解」と「悪い誤解」の違い、それは”言葉以前”の世界、言葉として表現される前の段階で決まるということです。
たとえば、以下の二人に「おはようございます」と挨拶されたシーンを想像してみてください。
- 元気だけどムスッとした顔で「おはようございます」と言うAさん
- 本当は元気ないけど明るい笑顔で「おはようございます」と言うBさん
同じ言葉で表現していても、この2人から受け取る印象は違うと思います。
Aさんは「機嫌が悪そう」という悪い誤解を与え、Bさんは「ご機嫌そう」という良い誤解を与えますよね。
もう少し掘り下げて、極端な例で考えてみましょう。たとえば
- 思ったことを何でも口にする人
- 思ったことを何も口にしない人
この二人がいたとします。
思ったことを何でも口にする人は、口が軽くて大事なことを話せない人という印象を持たれやすいですよね。つまり、悪い誤解を与えてしまいます。
かたや真逆の思ったことを何も口にしない人は、何を考えているかわからないし、関わりにくいという印象を持たれやすいですよね。つまり、悪い誤解を与えてしまいます。
極端な例ですが、「話しすぎ」も「話さなすぎ」も、ちゃんと言葉を使いこなして伝えられていないことなります。
つまり何が言いたいかというと、言葉とは別のところが印象に大きく影響を与えているということです。
これは言い換えると「言葉には限界がある」ということなんですね。
だから「言葉には限界がある」ということを知っておくと、それ以外の表現にエネルギーをかけることができます。
- わかりやすいように丁寧に言葉を尽くす
- 相手の心境に合わせた言葉を選ぶ
- 相手の目を見て、相手の気持ちを感じる
- 一方的に話さず、相手の声なき声に耳を傾ける
とかですね。つまりコミュニケーションの心構えがガラッと変わるのです。
コミュニケーションの誤解は良くも悪くも”心の状態”が影響を与える
言ってしまえば、生きている間のすべてのことはコミュニケーションなのです。
頭の中で考えること、心の中で思うこと、やること成すことすべてが、実は相手に伝わる”表現の一部”という風に考えることができます。
そう考えると、言葉はとてもちっぽけな存在になります。
すると、誰かの言葉に傷つくことも減るし、言いたいことが伝わらないと嘆くことも減っていきます。
なぜなら、言葉を発する以前。つまり、言葉以外の世界が確実に相手に伝わっているから。
最初にご紹介した炎鵬の動画で、言葉の伝え方を変えるだけで印象が変わったように、もちろん言葉を正しく伝えるためのスキルは必須です。
ただ、それ以上に大事なのは、『言葉にどんな想いを乗せるのか?』ということ。
良くも悪くも、すべての誤解は言葉になる以前の心の状態が影響しているのです。
だからこそ、いかに普段の自分の心を「明るく・軽く・温かい」状態にできているかが、実はコミュニケーションの重要な鍵になってくるのです。
炎鵬の動画の教訓『コミュニケーションの気づき』まとめ
今回の記事をまとめると、以下のようになります。
人と人とのコミュニケーションで、100%正確に伝わる(理解してもらえる)ことは絶対にあり得ない
その理由はどんな人であれ全てのコミュニケーションは「受け手の解釈によって意味付けされるから」です。
解釈という根拠のないフィルターは、これまで生きてきた人生の全てによって生み出されます。
そして、どんなコミュニケーション(表現)でも、解釈のフィルターを通ると2つの結果のどちらかにしかなりません。
その2つの結果が、
- 良い誤解を与える
- 悪い誤解を与える
のどちらかです。
実際どちらの誤解を招くかは、その人がどんな解釈フィルターを育ててきたのかによって変わるので、やってみないとわかりません。
でも共通して言えることは、言葉とは別のところが大きく影響を与えるということです。
それが言葉を発する以前の世界。
『言葉にどんな想いを乗せるのか?』ということであり、自分の心の状態が、良い誤解と悪い誤解のどちらを与えるか決めている、というお話でした。
自分の心の状態を『明るく・軽く・温かい』状態に保つには、エネルギーの習慣(エネルギーマネジメント)を持つことが大切です。
以下の記事でお伝えしていますので、ぜひ参考にされてみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。