前回は経営コンサルタントである小田真嘉さんから学んだ「人生の4つのステージ理論の全体像」をご紹介しました。
人生の4つのステージを知ることで
- 今自分がどのステージにいて
- これからどこのステージを目指すのか
という方向性が定まり、冒頭の思いを実現していくエネルギーが生まれていきます。
今日も引き続き
『人生の4つのステージ理論』
について共有したいと思います。
今回はステージ理論をより深めていくために、ステージが高い状態と低い状態の
- 心の状態の違い
- 幸せの感じ方の違い
という人生の4つのステージ理論の「違い」について解説したいと思います。
違いが分かることで、目指すステージにいくためにどういう点を意識すれば良いのかや、自分の日常を見直し人間関係を良くするための判断基準を作っていけます。
この記事には小田真嘉さんから学んだことを解説していますが、自分の実体験での解釈が含まれているため、オリジナルとは違う部分が出てきます。その点はご容赦ください。
以下のリンクから小田さんの無料書籍がダウンロードできるので、ぜひ一度読まれてみてください。
人生の4つのステージ理論の違いとは
人生の4つのステージ理論は、大きく2つの領域に分けて考えることができます。
その境界線となるのが
- LightステージとLifeステージ
- LikeステージとRiceステージ
です。
この2つの領域では次のものが違います。
- 心の状態
- 幸せの感じ方
それでは一つずつ解説します。
心の状態の違い
一つ目の違いは、心の状態が違うということです。
ステージ毎にいろんな特徴がありましたが、大きく次の2つに分けられます。
- 明るく・軽く・温かい
- 暗く・重く・冷たい
下のステージになるほど、その人の心の状態・振る舞い・発する空気感や雰囲気は、「暗く・重く・冷たく」なります。
逆に上のステージになるほど、「明るく・軽く・温かく」なります。
心の状態というとイメージしづらいかもしれません。よりイメージをより膨らませるために、心の状態を「水」に置き換えて考えてみましょう。
4つのステージと水の状態の関係性
人のステージが変わっていくことは、水の状態が変わっていくことと同じように考えることができます。
水は温度のよって、次のように状態が変化していきます。
- 氷
- 水
- 水蒸気
- プラズマ
上記の水の4つの状態を人生のステージ理論と対応させると、次のようになります。
- 氷
- 水
- 水蒸気
- プラズマ
- Riceステージ
- Likeステージ
- Lifeステージ
- Lightステージ
水の状態遷移とエネルギーの関係
スタート地点を「氷」、目指すゴールを「プラズマ」と定義して、どのように遷移するのかを見ていきましょう。
氷を溶かすには熱というエネルギーが必要です。氷にエネルギー(熱)を加えていくと、結合した水分子が固まりでいられなくなり、徐々に溶けて水に変わっていきますね。
氷は運動するためのエネルギー(熱)が極端に低く、水を構成する水分子が動きを止め、互いに結合している状態です。
そこにエネルギー(熱)が加わることで、結合した固まりでいられなくなった水分子が、どんどん自由にいろんな方向へ運動し始めます。
水にエネルギー(熱)を加え続けて100℃を越えると、水分子はさらに激しく動き、猛烈なスピードで空間を飛び回るようになります。そして水蒸気へと変化します。
さらに水蒸気にエネルギー(熱)を加え続けると、今度は電離という現象が起きて、プラズマへと変化します。
このようにエネルギー(熱)を加え続けると、氷(水分子の固まり)が水→水蒸気→プラズマのように空間を自由に動ける状態へと変化していきます。
この水の状態遷移から大切なエッセンスを抽出すると、次の2つのことがわかります。
- ステージを上げるためには「エネルギー」が必要
- エネルギーが増えてステージが上がるほど自由度が増す
ということです。
自由度とは「余裕」のこと
エネルギーのことはまた別記事解説するとして、「ステージが上がるほど自由度が増す」というのは一言で表現すると、「余裕」のことです。
つまり
- 「余裕がない」状態ほどステージが低い
- 「余裕がある」状態ほどステージが高い
という風に考えられます。
自分に余裕がない状態のとき、問題・トラブル・試練が起きると
- 困ってるんだから助けてくれよ〜
- なんで私がやんなきゃいけないのよ
- なんで僕ばかりこんな目にあうんだろう
という風に依存心や被害者意識、責任転嫁、言い訳したくなったりという症状が現れて、心の状態や雰囲気がズーンと、暗く・重く・冷たくなります。
かたや、自分に余裕がある状態のとき、問題・トラブル・試練が起きると
- 絶対喜んでもらえる!
- 必ず乗り越えていける!
- きっとなんとかなる!絶対大丈夫!
という風に「できる・乗り越えられる前提」の強い意志があり、心の状態や雰囲気がフワッと、明るく・軽く・温かくなります。
こんな感じで心の状態によって、「暗く・重く・冷たい」印象を与えるのか、「明るく・軽く・温かい」印象を与えるのかという違いが現れるのです。
「暗く・重く・冷たく」または「明るく・軽く・温かく」の判断基準は日常のあらゆる場面で使える
- 明るく・軽く・温かい
- 暗く・重く・冷たい
この2つは、日常のあらゆる側面から自分の状態を客観的に判断するときにも使えます。
日常で普段よく関わっている
- 使う物
- 人間関係
- 過ごす環境
といったモノを通して、自分の心の状態が
- 「暗く・重く・冷たく」なるのか?
- 「明るく・軽く・温かく」なるのか?
そういう観点で見てみると、自分の状態がよく分かるようになります。
自分の状態が「暗く・重く・冷たく」なっているなら、本来の自分に戻すことが必要だし、「明るく・軽く・温かく」なっているなら、もっと上を目指すためにできることをやる、という感じですね。
こういった周りのモノから自分の心の状態を判断することって意外と大事です。周りに映っているという考えですね。これを鏡の法則と言います。
逆に言えば、身の回りのものを「明るく・軽く・温かい」エネルギーの高いものへ変えていくことで、自分の心の状態を高めていくこともできます。
次の記事に、身の回りをステージが高いものへと変えていくためのポイントについて解説しています。ぜひ参考にされてみてください。
幸せの感じ方の違い
2つ目の違いは、「幸せの感じ方(幸せを感じるもの)」が違うということです。
幸せの感じ方を別の表現にすると、「優先するもの」や「求めるもの」とも言えます。
幸せの感じ方にどんな違いがあるのかというと、それが次の2つです。
- 一体感
- 満足感
です。
RiceステージとLikeステージでは「満足感」に幸せを感じ、LifeステージとLightステージでは「一体感」に幸せを感じます。
ステージの境界線となっている「満足感」と「一体感」とは、一体どんなものなのか、それをまず解説します。
満足感=相手の幸せよりも自分の幸せを優先する
満足感とは、自分が満足したいという思いです。
いわゆる自己満足ですね。
RiceステージとLikeステージで満足感に幸せを感じるのは、相手の幸せより自分の幸せに強い興味・関心があり、「自分が思う幸せ像」を優先するからです。
長期的な利益よりも短期的な利益を求めます。
極端に言えば「自分」にしか関心がなく、相手は自分の理想を実現するためだけに関わる存在とも言えます。
自分と他人が分離している状態ですね。そして分離していると人は気持ち悪いと思う生き物です。
たとえば排水溝に溜まった自分の髪の毛を見て、「気持ち良いね」っていう人はいないと思います。汚いし素手で触りたくない人が多いはずです。
でも、あの髪の毛って元々は自分の頭に生えていたもので、分離した途端にゴミと同じ扱いになりますよね。
そんな感じで人は分離しているものは気持ち悪いと思うのです。
満足感に潜む罠
満足感はとても厄介なもので、求めても求めても一生埋まることはありません。つまり、キリがないのです。
たとえば今年の最新家電をすべて揃えても、一年後にはまた新商品が発売され、また新たに欲しくなるように。
満足感を埋めようとすると、イタチごっこになってしまうのです。
満足感は求めるほど自分優先が強くなり、気づかぬうちに大切な人を傷つけていることさえあります。
一体感=相手の幸せと自分の幸せが一つになっている
一体感とは、自分の幸せと相手の幸せが一つに繋がっていることです。
LifeステージとLightステージで一体感に幸せを感じるのは、他者に貢献することを通じて、自分の幸せを目指そうとするからです。
短期的な利益よりも長期的な利益を求め、自分のことも大切にしながらも、相手のことを思い貢献していきます。
貢献したことが、やがて巡り巡って循環して自分に返ってくる、という発想です。
自分と相手の幸せが一つに繋がっているというのは、統合された状態ということですね。
たとえば、床にいろんなものが散らかった部屋よりも、それぞれのモノが正しい位置に一つに綺麗にまとまっているほうが「気持ち良い」ですよね。
スッキリするし、手に取りやすいし、落ち着くし、快適。
主語の違いで見る「満足感」と「一体感」
満足感と一体感の違いは「主語」がどこにあるのか、ということから判断することができます。
主語は大きく3つに分類されます。
- I(自分が幸せかどうか)
- You(相手が幸せかどうか)
- We(私たちが幸せかどうか)
満足感での主語は、「I(自分が)」です。つまり「私が幸せかどうか」が判断基準になってきます。
私が幸せにならないことはやろうとしません。私の幸せを追求するため、相手の幸せは置き去り、むしろ自分の幸せとは分離されてしまいます。
かたや一体感での主語は、「We(私たちが)」です。
一見すると、「I(自分が)」の反対の「You(あなたが)」という、「あなたが幸せかどうか」を判断基準になりそうなものですが、そうじゃないのです。
なぜなら、「You(あなたが)=あなたが幸せかどうか」という判断基準だけでは、自己犠牲になってしまうからです。
一体感は、「I(自分が)」と「You(あなたが)」の両方にとっての幸せを目指す、一つ上の統合された視点になります。
つまり、「We(私たちが幸せかどうか)」なのです。
そして、この「We(私たちが)」に含まれる範囲が
- 周りの人(友人・家族・子供)
- 関わる地域・業界
- 世の中
これらのどこに位置づけされているかによって、さらに一体感のレベルは変わってきます。
相手への行為から見る「満足感」と「一体感」
もう一つ、満足感と一体感の違いは「相手への行為」から判断することができます。
行為は大きく次の2つに分類されます。
- 奪う
- 与える
満足感は相手から奪う働きかけをし、一体感は相手へ与える働きかけをします。
例えば、食事で考えるとわかりやすいです。
自分が空腹の状態(満足感が足りない)のとき、目の前に食べ物があったら、まず相手に与えるより先に自分が食べたいと思う(相手から食事を奪う)ものです。
でも、自分がお腹いっぱい(満足感が満たされてる)のときだと、食べきれないので相手に食べ物を譲る(相手へ食事を与える)と思います。
それと同じようなものです。
「奪う」と「与える」は目に見えるものだけじゃない
奪う・与えるは目に見えるものだけではありません。目に見えないものも当てはまります。
たとえば「相手の気を引いて注目を集める」ことも、「辛い過去の話をして不幸な自分に共感してもらおうとする」ことも、実は奪う行為なのです。
逆に、TV番組のしくじり先生のように、たとえ辛い経験をしていてもそれを教訓として明るく伝えられたら、それは実は与える行為になります。
つまり、自分に余裕がないと相手から奪う、自分に余裕があると相手へ与える、という働きかけになるのです。
満足感は絶対悪じゃない。足るを知り、卒業して一体感を目指すことが大事
ここまでで、満足感と一体感の違いについて解説してきました。
でも言いたいのは、「満足感が絶対悪で、一体感が絶対善だ!」、ということではありません。
ステージは下記の図のように「Rice→Like→Life→Light」と順番に積み上がっていきます。
自分が満足してないのに、周りを満足させるのなんて、どんな人間でも絶対に無理です。
どれだけ高い理想があっても満足感が満たされてないと、土台づくりされてない家と同じようなもので、もろくてすぐに崩れてしまいます。
キリストもマザーテレサもガンジーも、ご飯を毎日全部、人にあげてたら生きていけません。自分の分はある程度食べてます、絶対。
つまり、満足感はキリがないけど、ある程度は満たすことは大切。だけど足るを知り、その満足感から抜け出して次のステージに行く必要がある、ということなのです。
そしてその次のステージに待っているのが、「一体感」という幸せの感じ方、なのです。
さてここで、満足感(相手の幸せ<自分の幸せ)と一体感(相手の幸せ=自分の幸せ)は、どちらの方が本当に幸せなのだろうか?
ということを、数字の側面から考えてみたいと思います。
数字で比較!満足感と一体感の違い
たとえば、毎日幸せなこと1つ必ず起きたとしましょう。
満足感だけを採用(自分一人の幸せを追求する生き方)すると、「1個(1日に起きる幸せなこと)×365日=年間365個の幸せ」が訪れます。
逆に、一体感を採用(相手の幸せ=自分の幸せを追求する生き方)すると、「1個(1日に起きる幸せなこと)×365日×関わった人数=年間X個の幸せ」が訪れます。
計算式から考えると、一体感は関わった人の数だけ幸せが増えていきます。
- 1日に2人と関われば年間730個
- 1日に5人と関われば年間1,825個
- 1日に10人と関われば年間3,650個
と幸せがどんどん倍増していきます。
もちろん、単純に関わる人数を増やせば良いということじゃないですが、一体感にフォーカスした方が、満足感よりも幸せな日々を送れそうですね。
つまり、満足感を超えて、自分も相手も幸せになる第3の道(Weの視点)を見つけられたなら、毎日が幸せだということです。
人生の4つのステージの違いのまとめ
この記事をまとめると、次のようになります。
夫婦関係を良くするために、人生のステージを上げる。そのためには、ステージの低い時と高い時の違いを知って、日常を見直す判断基準をつくることが大切です。
そしてその判断基準となるのが本日のトピック
- 心の状態
- 幸せの感じ方
この2つの違いです。
心の状態は以下の2つで判断できます。
- 明るく・軽く・温かい
- 暗く・重く・冷たい
下のステージほど、その人の心の状態・振る舞い・発する空気感や雰囲気は、「暗く・重く・冷たく」なり、逆に上のステージにいくほど、「明るく・軽く・温かく」なる、これが一つ目の判断基準です。
そしてもう一つが幸せの感じ方の違い。
- 一体感
- 満足感
満足感とはいわゆる自己満足のこと、一体感とは自分と相手の幸せが1つに繋がっていることでした。
そして、今の自分が満足感と一体感のどちらを求めて動いてるかを判断する基準として、「主語」と「行為」を意識しようという話をしました。
この記事を「最高の伴侶・パートナー」へと繋がる一歩やキッカケにしてもらえたら嬉しく思います。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。